・「電気工事士資格は、聞いたことあるけど、電気取扱者資格って何?」
・「電気工事士資格有れば必要なくない?」
・「電気取扱者資格って必要なの?」
上記のような悩みや疑問を解決できる記事を用意しました!
結論から言うと、低圧電気取扱業務特別教育は、電気工事士の国家資格を持っていたとしても受講する必要があります。
つまり、「全く違う資格」ということになります。
詳細を以下の内容に沿って解説していきます。
本記事でわかること
- 低圧・高圧電気取扱者とは?
- 低圧・高圧電気取扱者資格概要
- 電気工事士資格と低圧電気取扱者資格の関係性
- 低圧電気取扱者と一緒に持っておきたい電気系の資格とは?
上記の内容について解説していきます。
低圧・高圧電気取扱者とは?
低電圧電気取扱者
低電圧電気取扱者は、交流では600V以下、直流では750V以下の低電圧の充電電路の敷設、修理の業務又は区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器の操作業務(対地電圧が50V以下等を一部除外)をおこないます。
高電圧電気取扱者
高電圧電気取扱者は、交流では600V以上7000V以下、直流では750V以上の高電圧の充電電路(支特物含む)の敷設、点検、修理、操作の業務をおこないます。
特別高電圧電気取扱者
特別高電圧電気取扱者は、交流と直流が7000V以上の特別高電圧の充電電路(支特物含む)の敷設、点検、修理、操作の業務をおこないます。
低圧・高圧電気取扱者資格概要
ホームページ・受講申込・問合せ
- 公益社団法人東京労働基準協会連合会
03-5678-5556 - 関東電気保安協会 技術・普及部
03-3988-2322(代) - 関西電気保安協会
06-6539-1360(代表)
受講資格
18歳以上の者。
願書申込み受付期間
実施団体により異なります。詳しくは講習実施団体までお問い合わせ下さい。
受講日程
実施団体により異なります。詳しくは講習実施団体までお問い合わせ下さい。
受講地
全国各地
受講料
- 低圧電気取扱特別教育講習
9,000円~21,000円位 - 高圧・特別高圧電気取扱者安全衛生特別教育講習
15,000円~21,000円位
受講内容
低圧電気取扱特別教育講習(2日間、計14時間)
- 低圧の電気に関する基礎知識(1時間)
- 低圧の電気設備に関する基礎知識(2時間)
- 低圧用の安全作業用具に関する基礎知識(1時間)
- 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法(2時間)
- 関係法令(1時間)
- 実技(7時間以上)① 低圧の活線作業及び活線近接作業の方法
高圧・特別高圧電気取扱者安全衛生特別教育講習(2日間、計12時間)
- 高圧又は特別高圧の電気に関する基礎知識(1時間30分)
① 高圧又は特別高圧の電気の危険性
② 接近限界距離
③ 短絡
④ 漏電
⑤ 接地
⑥ 静電誘導
⑦ 電気絶縁 - 高圧又は特別高圧の電気設備に関する基礎知識(2時間)
① 発電設備
② 送電設備
③ 配電設備
④ 変電設備
⑤ 受電設備
⑥ 電気使用設備
⑦ 保守及び点検 - 高圧又は特別高圧用の安全作業用具に関する基礎知識(1時間30分)
① 絶縁用保護具
② 絶縁用防具
③ 活線作業用器具
④ 活線作業用装置
⑤ 検電器
⑥ 短絡接地器具
⑦ その他の安全作業用具管理 - 高圧又は特別高圧活線作業及び活線近接作業の方法(5時間)
① 充電電路の保護
② 作業者の絶縁保護
③ 活線作業用器具及び活線作業用装置の取扱い
④ 安全距離の確保
⑤ 停電電路に対する措置
⑥ 開閉装置の操作
⑦ 作業管理
⑧ 救急処置
⑨ 災害防止 - 関係法令(1時間)
① 法令及び安全衛生規則中の関係条項 - 実技(1時間)
① 高圧又は特別高圧の活線作業及び活線近接作業の方法
電気工事士資格と低圧電気取扱者資格の関係性
低圧電気取扱業務特別教育は、電気工事士の資格を持っていたとしても受講する必要があります。
簡単に説明すると低圧電気取扱業務特別教育は、電気系の資格や国家資格の取得状況に限らず、労働者の安全を守るために行われているためです。
また、電気工事士の資格を管理しているのは経済産業省で、低圧電気取扱業務特別教育の管轄は厚生労働省と異なるうえに、それぞれの目的も異なります。
経済産業省は、電気工事に関する事故防止といった観点も含めて電気工事士の資格を管理しています。
一方、厚生労働省は電気工事士の資格取得や電気工事にとらわれず、労働者全体の安全教育に重きを置いています。
受講対象者は、所持資格は関係なく充電電路の修理業務や、充電部分が露出している開閉器の操作で、さらに感電の恐れがある業務を担当している方になります。
ただし、低圧電気取扱者の資格を取得していたとしても、電気工事はできません。
工事をするには電気工事士をもってるのが前提です。
電気工事士として働いていても転職すると…
今まで、電気工事士として働いていても、転職して会社が変わると、低圧電気取扱業務特別教育を改めて受講する必要性があります。
各事業者は労働者に対して低圧電気取扱業務特別教育の実施(実施団体へ受講させる)をしなければいけません。
つまり、転職先では低圧電気取扱業務特別教育を受講していないので、改めて講習会へ参加するという仕組みです。
低圧電気取扱者と一緒に持っておきたい電気系の資格とは?
低圧電気取扱者と合わせて持ちたい資格。
- 第二種電気工事士
- 認定電気工事従事者
- 電気工事施工管理技士
- 電気主任技術者
1つずつ解説していきます。
第二種電気工事士
前項で説明しましたが、低圧電気取扱者資格だけでは、電気工事はできません。
なので、電気工事士資格は必要となります。
なかでも、第二種電気工事士資格は、受験資格はなく、実務経験や学歴に関わらず誰でも申込みさえすれば、受験することができます。
制服を着た学生からご年配の方まで、毎年10万名以上の方が受験している人気の資格です。
電気系の国家資格ではありますが、誰でも受験することが可能なため、電気工事関係の仕事に就職・転職を考えてる方には、おすすめの資格となります。
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認定電気工事従事者
認定電気工事従事者とは、第二種電気工事士の資格では行うことができない電気工事を行うことができるようになる資格です。
この資格を持っていると、電線路に係るものを除いた、電圧600ボルト以下で使用する自家用電気工作物に関する電気工事(簡易電気工事)に関わることができます。
認定電気工事従事者は、第一種電気工事士や第二種電気工事士、電気主任技術者の資格を有していれば、所定の講習を受講して申請するだけで貰える資格です。
条件によっては、講習を受けることなく申請だけで認定証を貰える場合もあります。
認定電気工事従事者は、第二種電気工事士の資格だけでは行えない工事を取り扱うことができるので、第二種電気工事士の資格を持っている人が、仕事の幅を広げるために取得することが一般的です。
また、第一種電気工事士の試験に合格しても、5年以上の実務経験がないと資格は取得できないため、第一種電気工事士の試験に合格したけれど実務経験のない人が、認定電気工事従事者の資格を取得し一定の範囲の工事に従事するということもあります。
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電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は不足しており、資格を取得するだけでも重宝されます。
施工管理技士が多い会社は公共工事を受注しやすくなるため、資格を取得することで貢献度もアップします。
また、各社が電気工事施工管理技士をほしがっているため、転職も有利になります。
施工管理に従事している人や、これから施工管理を目指したい人は取得しておきたい資格です。
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電気主任技術者
電気主任技術者は、事業用電気工作物や自家用電気工作物の保安業務を行える国家資格です。
電気系資格の最難関なので、取得するだけでも一目置かれます。
第一種、第二種、第三種にわかれていて扱える設備が違います。
一種は電力会社、二種は大規模な需要設備がある事業所、三種は一般事業所などです。
一種を取得すると発電所に転職できる可能性もあり、年収が大幅アップも夢ではありません。
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まとめ
本記事まとめ。
- 低圧電気取扱者は対地電圧50V以上・交流600V以下・直流750V以下の電気工事が可能
- ただし、電気工事の業務は電気工事士をもっていることが前提
- 特別教育を受講すると低圧電気取扱者になれる
低圧電気取扱者資格は、講習だけ取得できるので、第二種電気工事士資格を取得してからでもいいかと思います。
※低圧電気取扱者資格は電気工事できないため
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