・ガス溶接技能資格ってどんな事ができる資格?
・ガス溶接技能資格の難易度や合格率って?
・「溶接の資格」ってどれくらいあるの?
ガス溶接技能資格の取得を検討している人は、上記のような「悩み・疑問」を解決できる記事を用意しました。
この記事を読んでいただければ、「ガス溶接技能資格取得」に関する注意すべき点が明確になり、
次にステップアップしていくための資格についても理解が深まるかと思います。
ガス溶接技能者資格とは?
ガス溶接技能者とは、労働安全衛生法に定めがあるガス溶接技能講習を修了しており、ガスを使って溶接する技能者です。
ガス溶接技能者の資格は、国家資格となっています。
ガス溶接技能資格についてもう少し深堀解説
ガス溶接技能者になるには、厚生労働省が定めた労働安全衛生法に基づいたガス溶接技能講習という講習を受講し修了しなければなりません。
ガス溶接技能講習は、全くの未経験者でも受講できます。
技能講習内容は、学科と学科試験、実技講習と実技修了試験となっており計2日間ほどかかります。
簡単な終了考査(試験)を行いますが、普通に受講すればまず落ちることがなくほぼ全員合格できます。
この講習を修了することで、可燃性ガス(アセチレン・プロパンなど)および酸素を混合して使用するガス溶接・切断等のガス溶接業務を行えるようになります。
つまり、ガスバーナーを利用して金属をつなぎ合わせる「ガス溶接」あるいは「ガス溶断(切断)」を行えるようになります。
ガス溶接技能者は、溶接の初歩的な資格の一つと言われています。
当然ですが、ガス溶接はガス溶接技能者としての資格を持つ者以外は行えません。
資 格 概 要
受講資格
18歳以上の者。
受講内容
14時間/2日間で行われます。
①~③は学科。④は実技。
- ① ガス溶接等の業務のため使用する設備の構造及び取扱の方法に関する知識(4時間)
- ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素の容器、導管、吹管、圧力調整器、安全装置、圧力計等の構造及び取扱いの方法
- ② ガス溶接等の業務のため使用する可燃性ガス及び酸素に関する知識(3時間)
- ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素の性状及び危険性
- ③ 関係法令(1時間)
- 労働安全衛生法
- 労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号)及び労働安全衛生規則中の関係条項
- ④ ガス溶接等の業務のため使用する設備の取扱い(5時間)
- ガス溶接等の業務のために使用する可燃性ガス及び酸素の容器、導管、吹管、圧力調整器、安全装置、圧力計等の取扱い
- ⑤ 修了試験(1時間)
受講申込・問合せ
一般財団法人 日本産業技能教習協会 03-3254-8404
ホームページ
願書申込み受付期間
実施先までお問い合わせ下さい。
受講日程
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受講地
全国各地
受講料(税込み)
13,580円~18,700円程度(教材費:1,700円程度別途)。
合格発表日
実施先までお問い合わせ下さい。
ガス溶接技能講習の難易度は高い?合格率って?
ガス溶接技能講習の学科講習では最後に試験があり、学科試験における合格基準として、すべての得点総計が満点の60%以上という決まりがあります。
また、各科目においても満点の40%以上を取ることが必須です。
ただし、事前に行われる講習を真面目に受け、内容をきちんと理解しておけば、試験内容自体は難しくありません。
また、実技講習は受講するだけで試験を受けるってわけではないので安心してください。
そのため、合格率について正式な公表はありませんが、受講者のほとんどの人が受かるとされていて、難易度としてはそれほど高くない資格となっています。
ガス溶接技能保持者の平均年収は?
金属溶接・溶断従事者の平均年収は408.6万円(賞与込)です。
2020年男性給料
- 平均年収:411.5万円
- 平均月収:29.0万円
- 平均時給:1,568円
- 年間賞与等:63.2万円
- 平均年齢:41.2歳
- 平均勤続年数:11.2年
2020年女性給料
- 平均年収:298.2万円
- 平均月収:21.4万円
- 平均時給:1,282円
- 年間賞与等:41.2万円
- 平均年齢:37.2歳
- 平均勤続年数:7.7年
(2020年:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より)
ガス溶接技能講習に受かるための対策は必要?レべチ方法ってある?
ガス溶接技能講習は難易度が高くないとされているものの、資格取得に向けた対策をしっかりと取っておきたいと考える人いませんか?
基本的には、学科試験も実技講習も、マジメに講習を受けていれば合格は可能です。
そのため、1番重要な対策は、講義を真面目に受けることとなります。
特に、講義のなかで、講師が重要であると話したキーワードやポイントについては聞き逃さないようにチェック!
「居眠り」「スマホで遊ぶ」は、厳禁です!
一方、実技講習では、実際の作業をその場で行うことが求められるため、講師の指示に従いながらリラックスして受けることが大切です。
また、即、実技となることに不安を覚える場合には、事前にガス溶接の作業の様子を見ることができる公開動画などを鑑賞して予習しておくとスムーズに実習に入りやすくなります。
講義中の禁止事項
- 「居眠り」
- 「遅刻・早退」
- 「スマホで遊ぶ」
まだある溶接資格の種類・難易度一覧
溶接の資格は他にもあります!
そのなかでも溶接する人なら知ってて損しない有名な溶接資格を以下にまとめました。
難易度 | 資格名 | 年齢制限 | 溶接経験 | 取得方法と費用 |
アーク溶接作業者 | 満18歳以上 | 未経験者向け | ・講習/学科2日間(11h)+実技1日(10h) | |
ガス溶接技能者 | 満18歳以上 | 未経験者向け | ・講習2日間(14h)学科と実技 ・講習最後の1時間は修了試験 ・13,000円~18,000円程度+教材費(実施先による) | |
アルミニウム溶接技能者 (基本級) | 満15歳以上 | 実務経験1ヶ月以上 | ・学科試験(1,210円) ・実技試験(8,580円~53,240円) ・合格後認定料が必要(4,510円) ・更新有 | |
アルミニウム溶接技能者 (専門級) | 15歳以上 | 基本級有資格者 かつ実務経験3ヶ月以上 | 同上 | |
PC工法溶接技能者 | - | 1年程度 | 平成29年から取りやめ | |
溶接管理技術者 | 理大卒業及び要実務経験 | 3年以上 | ・筆記試験Ⅰ/Ⅱ(26,400円) ・口述試験(22,000~27,500円) ・合格後、登録料が19,800円必要 ・有効期限5年間、更新有 | |
普通ボイラー溶接士 | - | 溶接実務1年以上 | ・学科試験(40問2.5時間)6,800円 ・実技試験(1時間)下向き立向き突合せ溶接/18,900円 ・有効期限2年、更新有 | |
特別ボイラー溶接士 | - | 普通ボイラー取得後 溶接実務1年以上 | ・必要な溶接実務経験→ガス溶接・自動溶接は除かれる ・学科試験(40問2.5時間)6,800円 ・実技試験(1時間)横向き突合せ溶接/21,800円 ・有効期限2年、更新有 ※学科免除制度多々あり | |
ガス溶接作業主任者 | - | 3年以上 | ・受験資格無し ・3時間20問の筆記試験(業務経験・卒業学歴によって科目免除制度アリ) ・受験料6,800円 ※合格後、免許申請には実務経験の証明が必要 | |
溶接作業指導者 | 満25歳以上 | 3年以上 技量資格保有 | ・講習3日間 ・受講後学科試験有り(実技試験無し) ・受講料54,050円(溶接監理技術者は23,600円、再受講者は12,600円) |
ガス溶接技能者資格を取得し、経験を3年以上積めば、ガス溶接作業主任者という上位資格にステップアップが可能です。
ガス溶接作業主任者とは、ガス溶接技能者の指導者として作業の進め方を決定し指揮をするための国家資格です。
事業者は、ガス溶接作業主任者免許を受けた者の中からガス溶接作業主任者を選任しなければなりません。
つまり、ガス溶接作業主任者はガス溶接技能講習修了証とガス溶接作業主任者免許の2つを合わせて持つことになります。
もちろん国家試験に合格する必要がありますが、試験は学科のみで実技はありません。
給料アップも期待できるのでぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
以下に「ガス溶接作業主任者試験合格率や効率よい勉強法」について解説している記事があるので参考にしてみてください!
ガス溶接作業主任者とは?ガス溶接作業主任者試験合格率や効率よい勉強法とは?
ガス溶接作業主任者は、アセチレン溶接装置やガス集合溶接装置を使用した溶接を行うとき、選任が義務付けられています。 このガス溶接作業主任者は、数ある溶接の資格の中でも上級に位置づけられるといわれてい ...
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ガス溶接に慣れてきたら、次なる溶接の資格に取り組みたい方もいるかと持って、溶接の講座を調べてみました!
現場に役立つ溶接の基礎:JTEX
職業訓練法人日本技能教育開発センター、受講期間:3ヵ月、レベル:入門 初級
現場に役立つ溶接の基礎では、現場からニーズがある溶接作業の基本を学ぶ通信講座です。
カラーの図や画像を使って溶接の専門知識が理解しやすく解説されています。
章末問題は、溶接技能者資格の学科試験の対策に、ぴったりな問題が記載されています。
溶接法:JTEX
職業訓練法人日本技能教育開発センター、受講期間:4ヵ月、レベル:初級 中級
溶接法は、溶接技術の全般を学習して実践力を習得する通信講座です。
溶接技術は、産業構造が変化する昨今で、その技術の内容も変わり対象も広がっています。
この通信講座は、溶接技術全般(溶接加工の基本をはじめ、溶接法や技術の流れ)について、理解しやすくできています。
工場系や、IT資格に関する記事を以下に用意してありますので、参考にしてみてください!
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