ボイラーに関わる国家資格にはボイラー技士とボイラー整備士がありますが、行える業務はそれぞれ異なります。
今回は、それぞれの資格の特徴を比べ、どのような違いがあるか見比べてみましょう。
ボイラー整備士の資格概要
受験資格
不要。
ただし、本人確認証明書の添付が必要です(科目免除のため、免許証の写しを添付する場合は不要)。
満18歳(高圧室内作業主任者は20歳)に満たない者には免許証は交付されないので、満18歳(20歳)になってから免許申請をしてください。
試験内容
(30問/2時間30分。科目免除者は1時間40分)
① ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識(10問)
② ボイラー及び第一種圧力容器の整備作業の使用器材、薬品等の知識(5問)
③ 関係法令(5問)
④ ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識(10問)
合格基準
以下の全ての条件を満たすことで合格となります。
- 総得点が、満点中60%以上の得点率
- 各科目が、満点中40%以上の得点率
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免除(科目等)について
以下に該当する者は、①ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識が免除。
- ボイラー技士(特級、一級、二級)免許を受けた者
- 普通職業訓練(設備管理・運転系ボイラー運転科)又は普通職業訓練(ボイラー運転科)を修了した者
- 旧養成訓練、旧能力再開発訓練、旧専修訓練課程普通職業訓練のボイラー運転科を修了した者
身体上の障害等に係る特別措置について
障害のある方で特別措置を希望される場合は、申請前に安全衛生技術センターに相談して下さい。
受験申込・問合せ
- 公益財団法人 安全衛生技術試験本部 03-5275-1088
- 北海道安全衛生技術センター 0123-34-1171
- 東北安全衛生技術センター 0223-23-3181
- 関東安全衛生技術センター 0436-75-1141
- 中部安全衛生技術センター 0562-33-1161
- 近畿安全衛生技術センター 079-438-8481
- 中国四国安全衛生技術センター084-954-4661
- 九州安全衛生技術センター0942-43-3381
願書申込み受付期間
実施先までお問い合わせ下さい。
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試験日程
6、10、2月頃の年3回
受験地
管轄住所のセンターで受験。
受験料
6,800円
合格発表日
実施先までお問い合わせ下さい。
試験合格後、免許を申請するためには、実務経験等の証明が必要となります。
ただし、平成24年4月1日より前にこの試験を受験した方が、その免許試験結果通知書又は受験票を添付して再受験申請し、合格された場合は、この書類の添付を省略できます。
詳細は免許試験合格者等のための免許申請書等手続の手引きをご覧下さい。
ボイラー技士とボイラー整備士との違いって?
仕事内容の違いについて
ボイラー技士とボイラー整備士のできる仕事について、調べてみました。
資格 | できる仕事 |
---|---|
ボイラー技士 | 有資格者はボイラーを運転し、水に熱を加え、温水や蒸気をつくることができる。どのボイラーでも取り扱えるほか、条件を満たすことで「ボイラー取扱作業主任者」になれる。 |
ボイラー整備士 | 一定規格以上のボイラーや第一種圧力容器を点検し、整備する仕事。内部を分解し清掃する業務も含まれる。 |
第一種圧力容器とは、工場や研究所などで使われることが多い容器で大気圧以上の圧力がかかる消毒器、精錬器、原子力関係容器、蒸発器、蒸留器などがあげられます。
ボイラー整備士の資格を持つと、これらの職場でも資格を活かせる可能性があります。
2つの資格でのできる仕事を見比べていただけるとわかるように、ボイラー技士だけでは、ボイラーの清掃、整備はできません。
また、ボイラ整備士だけでは、ボイラーを運転することもできません。
その為、「ボイラーを運転する。清掃や整備もおこなう」といった職務を任されるためには、両方の資格を取得しなければなりません。
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受験資格、試験の頻度の違いについて
ボイラー整備士の受験資格、試験頻度は資格概要にてご確認ください。
ボイラー技士の受験資格、試験頻度はコチラにて確認ください。
免状要件
ボイラー技士、ボイラー整備士とも、試験の合格をもって自動的に資格を取得できるわけではありません。
資格を証明する「免状」の発行には、試験の合格に加えて以下の要件を満たすことが条件です。
まずは、ボイラー整備士から見てみましょう。
NO | 代表的な免状要件 | 必要な手続き |
---|---|---|
1 | ボイラーや第一種圧力容器について、整備の補助業務に6か月以上従事 | 実務経験従事証明書の提出 |
2 | 小規模ボイラーや小規模第一種圧力容器の整備業務に6か月以上従事 | 実務経験従事証明書の提出 |
3 | 普通課程の普通職業訓練(設備管理・運転系ボイラー運転科)、短期課程の普通職業訓練(ボイラー運転科)を修了 | 修了証の写し |
次はボイラー技士の免状要件を見てみましょう。
級 | 代表的な免状要件 | 必要な手続き |
---|---|---|
二級 | ボイラー実技講習の修了 | 実技講習修了証を提出 |
一級 | 二級ボイラー技士免許を受けた後、ボイラーの取り扱い経験を2年以上、またはボイラー取扱作業主任者を1年以上経験 | 実務経験従事証明書を提出 |
特級 | 一級ボイラー技士免許を受けた後、ボイラーの取り扱い経験を5年以上、またはボイラー取扱作業主任者を3年以上経験 | 実務経験従事証明書を提出 |
上記の免状要件は、簡単にまとめたものなので、詳しくは試験運営団体の公式サイトで確認してください。
効率よく2つの資格を取るには?
もし、ボイラー整備士、ボイラー技士2つとも資格を取りたい思うならば、2級ボイラー技士資格を先に取得するほうが良いです。
ボイラー技士の免許を取得した場合は、ボイラー整備士の試験のうち「ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識」の科目が免除されます。
これにより試験問題は30問から20問に、試験時間は2時間30分から1時間40分に減ります。
一方でボイラー整備士の免許を先に取得した場合、ボイラー技士の試験で免除される科目はありません。
そのため「ボイラーの運転も整備も、両方やりたい」という方は、二級ボイラー技士を先に取得すると効率良く取得できます。
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まとめ
ボイラー技士とボイラー整備士には、仕事の内容において明確な違いがあります。
実務で必要な資格を選び、免状の要件などを事前に確認して試験を受けましょう。
もちろん、1人でボイラーの運転も整備もおこなうことは可能です。
その場合は、ボイラー技士とボイラー整備士の資格を持つ必要があります。
できるだけ効率よく取得するなら、二級ボイラー技士から始めることをおすすめします。