中小企業診断士試験は、中小企業のために必要な知識やスキルを持った人材を育成する資格です。
しかし、合格するためにはたくさん勉強しないといけません。
勉強時間が足りない人もいるかもしれません。
なので、合格した人たちがどのような勉強法を実践していたのかを紹介します。
仕事と勉強を両立する方法や、勉強時間を有効に使うポイント、合格するためのアドバイスも教えます。
受験生や中小企業に興味がある人にとって、とっても役立つ情報がたくさんあります!
関連記事:中小企業診断士はAIによってなくなる?役に立たないという噂は本当?
中小企業診断士の試験概要、合格率は?
前提として中小企業診断士についての基本情報を確認していきましょう。
中小企業診断士ってどんな資格?メリットってある?
中小企業診断士とは、経営のアドバイスをするための国家資格。
中小企業診断協会のHPによると、
中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家
(参考:中小企業診断協会のHP)
となっています。
また、試験や登録の管理もしています。
中小企業診断士制度は、中小企業の経営に関する適切な診断やアドバイスを受けられるようにするための制度です。
この資格を取得するためには、試験に合格する必要があります。
中小企業診断士は、中小企業にとって重要な存在であり、その専門知識を活かして企業の成長を支援したり、行政や金融機関とのパイプ役として活躍することができます。
また、試験勉強で得た知識は、ビジネスの現場で役立ちます。
昇進や転職、独立開業にもメリットがあるため、多くの人々が取得を目指しています。
関連記事:中小企業診断士の年収UPに必要なスキルは?年代別の平均年収から探る成功のポイント
中小企業診断士の合格率は?
中小企業診断士の試験は難しいのでしょうか?
また、合格率はどのくらいなのでしょうか?
中小企業診断協会が公開している過去5年間のデータを参考に、解説します。
一次試験
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成30年度 | 13,773 | 3,236 | 23.5% |
令和元年度 | 14,691 | 4,444 | 30.2% |
令和2年度 | 11,785 | 5,005 | 42.5% |
令和3年度 | 16,057 | 5,839 | 36.4% |
令和4年度 | 17,345 | 5,019 | 28.9% |
二次試験
受験者数 (筆記試験) | 口述試験資格を 得た人数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成30年度 | 4,812 | 906 | 905 | 18.8% |
令和元年度 | 5,954 | 1091 | 1,088 | 18.3% |
令和2年度 | 6,388 | 1,175 | 1,174 | 18.4% |
令和3年度 | 8,757 | 1,605 | 1,600 | 18.3% |
令和4年度 | 8,712 | 1,632 | 1,625 | 18.7% |
最新の中小企業診断士試験の合格率は、一次試験で約29%、二次試験で約19%と、どちらも低めです。
ただし、一次試験の合格率には年によって差があるので注意が必要です。
二次試験は筆記試験と口述試験があり、筆記試験に合格すれば、口述試験に受かる確率は99%以上と高いです。
関連記事:中小企業診断士は年収1,000万円を超える?現実は?
中小企業診断士の難易度は?
資格名 | 偏差値 |
司法試験・公認会計士・国家総合職 | 70~73 |
弁理士・税理士・不動産鑑定士 | 65~69 |
土地家屋調査士・社労士・中小企業診断士・行政書士・国家一般職・簿記1級 | 60~64 |
宅建士・管理業務主任者・通関士・FP技能士1級 | 55~59 |
中小企業診断士の難易度は、偏差値60〜64程度とされています。
同じぐらいの難易度の資格としては、社労士や行政書士が挙げられます。
取得するためには、多くの勉強が必要です。
関連記事:中小企業診断士試験 難易度高い科目は?合格に必要な偏差値と戦略とは?
中小企業診断士の試験日っていつ?
試験は年に1回で、2次試験まであります。
令和4年度の詳しい日程等は、下記になります。
一次試験
試験案内配布・申込受付期間 | 令和4年4月28日(木)~5月31日(火) |
試験日 | 令和4年8月6日(土)・7日(日) |
合格発表日 | 令和4年9月6日(火) |
実施地区 | 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇 |
受験手数料 | 14,500円 |
二次試験
試験案内配布・申込受付期間 | 令和4年8月26日(金)~9月22日(木) |
筆記試験日 | 令和4年10月30日(日) |
口述試験を受験する資格を 得た方の発表日 | 令和5年1月12日(木) |
口述試験日 | 令和5年1月22日(日) |
合格発表日 | 令和5年2月1日(水) |
実施地区 | 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡 |
受験手数料 | 17,800円 |
一次試験は、7つもの科目があるので、2日間にわたる試験です。
二次試験に合格したら、実務補修を受けたり、実際の仕事で働いたりすることによって、中小企業診断士になれます。
実務補修や実務経験は、15日以上必要です。
また、資格登録は5年間有効で、5年ごとに更新が必要です。
関連記事:2023年度版中小企業診断士テキスト・過去問のおすすめは?
中小企業診断士の試験科目、試験方式について?
一次試験は7つの科目があり、マークシート方式で2日間にわたって行われます。
一次試験に合格した人のみが受験できる二次試験は、4つの科目の筆記試験があり、その後口述試験があります。
筆記試験に合格した人の99%以上が口述試験に合格しています。
二次試験の筆記まで合格できれば、ほとんどの人が合格できるということです。
中小企業診断士を取得するための勉強時間は?
ここでは、中小企業診断士を取得するために必要な勉強時間について説明します。
中小企業診断士のトータルの勉強時間は?(難易度)
中小企業診断士に合格するには、トータルでどのぐらいの勉強時間が必要なのでしょうか?
調べたところ、中小企業診断士に合格するためには、平均1,000時間の勉強時間必要とのことです。
詳しくは「今さら聞けない!中小企業診断士試験の勉強時間の目安と勉強法、仕事について徹底解説」を参考にしてください。
中小企業診断士・一次試験の科目別の勉強時間は?
中小企業診断士の試験では、科目が7つもあるため、科目ごとに勉強時間を上手に割り振ることが大切です。
合計の勉強時間を1,000時間とすると、一次試験に向けた勉強には、そのうちの80%にあたる約800時間が必要です。
一次試験は7科目もあって出題範囲が広いため、合格するためにはたくさん勉強する必要があります。
また、一次試験に合格しないと二次試験に進めないため、最初は一次試験に時間をかけましょう。
以下に、各科目に必要な勉強時間の目安を示します。
科目 | 内容 | 勉強時間 |
財務・会計 | ・財務諸表等から得られる数値を理解・分析するために必要な知識を学ぶ ・最重要科目であるが、計算問題が多く含まれるため、苦手意識を感じる人が多く、しっかり時間を割くべき科目 ・二次試験の事例4ではこの科目の知識を使う | 200時間 |
企業経営理論 | ・マネジメントやマーケティングなど ・二次試験にも関係するので、しっかり時間を割くべき科目 | 150時間 |
経済学・経済政策 | グラフの読解力を多く問われるため、不慣れだと苦戦するが、しっかり勉強すれば高得点を狙いやすい | 130時間 |
運営管理 | ・「生産管理」と「店舗・販売管理」の2つの分野から成る ・知識さえあれば解ける問題と、さらに計算も必要な問題が出題される ・「生産管理」は、二次試験の事例3でも出題されるので重要度が高い | 130時間 |
経営法務 | ・経営に必要な法律知識に関して幅広く出題される ・かなり広範囲なため、勉強時間を費やしてもそれが得点に比例するとは限らない ・あまり時間を投入しすぎないように気をつけよう | 70時間 |
経営情報システム | IT系に強い人は高得点を期待できるが、そうでない場合には時間を取られすぎないように注意しよう | 70時間 |
中小企業経営・政策 | ・毎年4月に発行される中小企業白書から出題されるため、直前にしか勉強できない ・完全な暗記科目なので、しっかり覚えることがそのまま得点につながる。 | 50時間 |
「財務・会計」と「企業経営理論」は最重要科目で、それぞれ多くの勉強時間を割く必要があります。
しかし、「財務・会計」は計算問題が多く、苦手意識を持つ人が多いため、しっかりと時間をかけて克服することが大切です。
一方、「経営法務」、「経営情報システム」、「中小企業経営・政策」にはあまり時間をかけすぎない方が良いです。
「経営法務」は出題範囲が広く、勉強しても得点につながらない場合があるため注意が必要です。
「経営情報システム」は、ITに詳しい人であれば高得点が狙えますが、そうでない場合には合格ラインを目指しましょう。
「中小企業経営・政策」は中小企業白書から出題されるため、勉強のタイミングにも注意が必要です。
それぞれの科目の特徴を理解して、時間の割り振りを決めて勉強に臨みましょう。
中小企業診断士 一次試験の勉強時間について詳しく解説してみました!
中小企業診断士・二次試験対策に必要な勉強時間は?
中小企業診断士の勉強時間を1,000時間のとした場合、二次試験対策に使えるのは200時間ほどになります。
合格を目指す場合、一次試験は8月上旬、二次試験は10月末に行われるため、二次試験の勉強に使える時間は約3カ月しかありません。
それぞれの科目に必要な勉強時間の目安を、以下に示します。
科目 | 内容 | 勉強時間 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ | ・ある企業に関する基本情報や創業から現在に至るまでの経緯が書かれた与件文と、それに対する4~5問の設問が出題される。 ・1問につき100~200文字程度で記述 ・他の事例と比べると解答を型にはめにくいため、対策しづらい科目と言われている | 合わせて100時間 事例1~3は出題の形式が似ており、1次試験の対策勉強で得た知識を使えば解答可能。 そのため、過去問を繰り返し解くなどして、必要なキーワードを含んだ分かりやすい解答を作成する練習を反復 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ | ・マーケティング戦略がテーマで出題される ・会社の事業内容や会社がある地域の特徴などが記載された与件文と、それに対する4~5問の設問が出題される。1問につき50~100文字程度で記述する場合が多い | 同上 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ | ・生産や技術に関するテーマで出題される ・メーカーの生産現場での経験がある人にとっては取り組みやすいが、そうでない場合には難しい ・最近の出題傾向を見ると、「強み・弱み」「問題点(課題)とその対応策」「戦略」の3パターンで出題されている | 同上 |
中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ | ・財務分析を活用して企業の課題や問題点を発見し、改善提案を行う ・経理経験がある人にとっては取り組みやすいが、そうでない場合には難しい ・2次試験の中で最も差が出やすい科目で、事例4ができないと合格は難しいと言われている。そのため、しっかりと勉強時間を確保する必要がある | 100時間 |
また、「中小企業診断士二次試験の勉強時間を最適化する方法」を参考にしてみてはいかがでしょうか?
中小企業診断士の勉強時間、最短は何時間?
中小企業診断士に合格するための最短勉強時間は200時間というブログがありました。
その人は、効率的な勉強法を考えて、通信講座や過去問を使って合格したそうです。
詳しくは、「中小企業診断士に合格する最短目安勉強時間は?科目別、一次・二次試験は?」で解説しています!
中小企業診断士の独学の場合の勉強時間は?
独学で中小企業診断士に合格するには、自分で勉強スケジュールを立てたり、効率的に勉強する方法を見つけたり、過去問題集や参考書を使ったり、苦手な分野を克服する必要があります。
独学のいいところは、自分のペースで勉強できることや、時間や場所に縛られないこと。
でも、独学の悪いところは、自分で勉強スケジュールを立てたり、効率的に勉強する方法を見つけたり、モチベーションを保つのが難しいことですよね。
詳しくは「独学なら中小企業診断士試験はの勉強計画が大事!勉強計画簡単4ステップ」で解説しています。
合格者が語る、中小企業診断士試験の勉強時間と勉強法
ここでは、中小企業診断士試験に合格した人の勉強時間・勉強法について紹介していきます。
合格者による勉強時間について
実際の合格者の中には、1日4時間から10時間程度の勉強をしている方が多いようです。
ただし、勉強時間の長さよりも質に注力していることが多く、効率的に勉強することが大切だと考えられています。
また、合格者によって勉強時間に大きな差があることから、自分に合った勉強時間を見つけることが重要です。
勉強に取り入れた効果的な勉強法とは?
合格者が実践している効果的な勉強法としては、過去問題集を解く、要点まとめを作る、勉強会に参加する、などあげられます。
特に、過去問題集を解くことは、実際の試験形式に慣れるためにも有効です。
仕事と両立する中小企業診断士試験の勉強方法
ここでは、仕事と両立する場合の効果的な勉強法について紹介していきます。
通勤時でもできる勉強法とは?
仕事帰りでもできる勉強法としては、毎日少しずつ勉強を進める「スキマ時間の活用」がおすすめです。
また、自分に合った形式の学習教材を用いたり、通勤時間を勉強に利用することも効果的です。
オンライン学習や通信講座を利用する
オンライン学習や通信講座を利用することで、自分のペースに合わせた勉強ができる上に、時間や場所に縛られることなく勉強ができます。
さらに、質問対応が充実している場合もあり、試験勉強に必要なサポートが受けられることもメリットのひとつです。
中小企業診断士試験の勉強時間を有効活用するための2つのポイント
2つのポイント
・勉強時間の計画的な確保方法
・集中力を高めるための勉強スペースの確保方法
勉強時間の計画的な確保方法
忙しい中でも、勉強時間を確保するためには、日々のスケジュールを把握し、勉強時間を予め確保することが大切です。
また、計画を立てたらその計画を実行することが重要であり、守れない場合は計画を見直して改善することが必要です。
集中力を高めるための勉強スペースの確保方法
勉強スペースの確保方法としては、まずは静かで集中しやすい場所を選ぶことが重要です。
また、スペースの整理整頓を行い、必要な書類や文具などを揃えることで、勉強に集中することができます。
さらに、自分に合った照明や温度、湿度を調整することで、快適な勉強環境を整えることも大切です。
中小企業診断士試験に失敗しないための注意すべきこと
注意すべきこと
・注意点1:長時間の勉強は効果的ではない
・注意点2:休憩時間の過ごしかた
長時間の勉強は効果的ではない
長時間勉強をすることは、集中力の低下や疲労感の増加など、勉強に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、短時間でも効果的に勉強するために、定期的な休憩やストレッチ、運動を取り入れることが重要です。
休憩時間の過ごしかた
勉強の休憩時間には、適度な運動やストレッチ、リラックスすることが効果的です。
また、食事や水分補給も忘れずに行い、身体に必要な栄養素を摂ることも重要です。
休憩時間を有効に活用することで、疲れを取りながら効率的な勉強をすることができます。
中小企業診断士の勉強時間についてのよくある質問
合格者の中には、1日4時間から10時間程度の勉強をしている方が多いようですが、勉強時間の長さよりも質に注力していることが大切です。
合格者によって勉強時間に大きな差があることから、自分に合った勉強時間を見つけることが重要です。
勉強時間を有効活用するためには、計画的な勉強時間の確保、集中力を高めるための勉強スペースの確保、定期的な休憩やストレッチ、運動を取り入れることが重要です。
また、過去問題集や要点まとめを活用して効率的な勉強をすることも大切です。
長時間勉強をすることは、集中力の低下や疲労感の増加など、勉強に悪影響を及ぼす可能性があります。
そこで、短時間でも効果的に勉強するために、定期的な休憩やストレッチ、運動を取り入れることが重要です。
また、過去問題集や要点まとめを活用し、計画的に勉強時間を確保することも大切です。
中小企業診断士試験に合格するための勉強時間と勉強法のまとめ
この記事では、中小企業診断士を取得するための勉強時間や効率的な勉強法について紹介しました。
今回の記事を簡単にまとめると
・勉強時間は最低でも1,000時間必要ですが、勉強法によって必要な時間は異なる。
・試験科目が多いため、勉強時間の割り振りや勉強する順番を戦略的に考えることが重要。
・独学での取得も可能ですが、自己管理能力が必要
しかし、1,000時間以上の勉強を独学で行うのは大変です。
もし最短で合格を目指したいなら、通信講座の受講がおすすめです。
比較記事を参考に、あなたに合った通信講座を選んでください。
「最短合格可能!? 比較の軸別 中小企業診断士通信講座おすすめ予備校ランキング」を参考にしてみてください!